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海外ミステリー

アガサ・クリスティ絶賛!本格英国推理作家D・M・ディヴァインのおすすめ作品ランキング

更新日:

イギリスのお屋敷

正統派&本格謎解きミステリーが読みたい方におすすめ!

 

海外ミステリー作家で1番好きなのはアガサ・クリスティですが、そのクリスティと並ぶ面白さなのが、イギリスのミステリー作家ディヴィッド・マクドナルド・ディヴァイン(David McDonald Devine, 1920年-1980年)。

 

クリスティが「兄の殺人者(ディヴァインの処女作)」を読んで、「最後まで私が読んで楽しめた、極めて面白い犯罪小説」と言わしめた才能の持ち主。
もうこのクリスティの感想だけで、絶対読むでしょ!

 

クリスティも絶賛のめちゃくちゃ面白い推理小説なのに、なぜかそんなに有名じゃないのがとても残念。
本格推理小説好きな方はぜひ読んでほしいです。

代表作は『五番目のコード』、『兄の殺人者』など。

なぜD・M・ディヴァインがおすすめなのか

数ある推理作家の中で、どうして面白いのか考えてみました。イギリスの田舎風景

  • 犯人当ての正統派本格イギリス推理小説
  • 海外ミステリー部門でも作品が多数上位ランクイン
  • 推理材料はすべて読者に示しているフェアな作家
  • ミスリードが抜群にうまく、容疑者が二転三転して、長時間読んでいても飽きない
  • 登場人物の目線で語られる人間観察や心理分析が面白い
  • 話がテンポ良く進み、中弛みがない
  • 翻訳本だが、どれも読みやすい

良さをまとめるとこんな感じでしょうか。
海外ミステリー部門でも作品が多数上位ランク入りしています。

 

英語力不足のため、彼の英文原文は読んだことがありませんが、話し言葉で書かれているのかな?

どの作品も、翻訳者が違っても、とにかく読みやすいんです!

いろんな翻訳者が訳されていて、それぞれ皆さんの翻訳スキルが高いのもあるでしょうが、原文そのものも読みやすいのでは?と思っております。
「最近書かれた古典風推理小説です。」と言われたとしても全然違和感がない!

 

どんどん読み進められる理由のひとつは、風景描写より人物の心理描写やセリフが多めだからかもとも思っております。

 

特に惹かれるのは、ディバインの作中の登場人物がアホじゃない(笑)こと。

時々興ざめするのは、とある他の作者が「神の視点」で「ここでいっちょ、物語にアホなやつを登場させて、読者をミスリードさせてやろう」的なアホな会話を挿入することがあったり(毒舌^^;)事件に巻き込まれた人が何も考えたり意見がなかったりするように思います。

でもディバインの作中の登場人物は、直接的や間接的であっても事件に巻き込まれたら、各自がその事件やとある人物について考えてみたり感じたりするのです。

事件に関わりがあったら考えてしまうのは当然のことだし、人によっては同じ人物でも評価が違ったりするのも当然だし、そんな登場人物たちの考えが物語に厚みを持たせ、話を複雑にしてくれて、面白いのです。

そう、登場人物の目線で語られる人間観察や心理分析などがこの作品のもうひとつの面白さ。

変わった特長のある人物を書いて登場人物のキャラを立たせるのではなく、「身近にこういう人いるよねー」と国や年代を超えて普遍的な共感を得られる人たちが出てきて、ある人(例えば探偵役の人とか)の人間観察と分析を経て、登場人物それぞれがどんな性格かがわかるのが、実にうまいなーって思います。

 

もちろん、本格的でフェアな犯人探しも楽しめます。
もう、何から何まで超好み。

 

海外ミステリー部門でも作品が多数上位ランク入りしていることからも、実力の高さがうかがえますよね。
もう読むっきゃないでしょ!と思われた方に、ディヴァインの小説をおすすめ順にご紹介。
(未読分は含まず。全作品制覇中。随時順位は入れ替えていく予定)

1冊完結型なので、基本的にどの本から読んでも大丈夫です。

 

D・M・ディヴァイン作品おすすめランキング

ミステリー小説

『五番目のコード』 The Fifth Cord 

小説冒頭、殺人者の告白から始まります。
「8人が私の手にかかって死ぬだろう」と。

ああ、もうこの始まり方からワクワクします。
帰宅途中の女性教師が帰宅途中に何者かに襲われ殺されかけます。
それ発端に、現場に「棺のカード」が残される連続殺人事件がおこります。

登場人物たちの巧妙な話術やそれぞれの推理話などを読んでいくうちに、登場人物の誰もが犯人にみえてきます(笑)

 

ウォリス家の殺人 This Is Your Death

あらすじ: 人気作家ジョフリーの館に招かれた幼馴染のモーリスが主人公。
最近様子のおかしいジョフリーは実は兄ライオネルから半年にわたり脅迫を受けていた。
隠された暗い秘密を持つジョフリー、成功した弟に嫉妬して恨みを抱く兄ライオネル、夫に隠れて浮気する妻ジュリアなど、人間関係もいい具合にドロドロしています。

ある晩、ジョフリーは行方不明になり、兄のライオネルも姿を消します。
そして、発見された射殺死体…。

私のように勘頼りではなく、ロジックに考えると犯人当てが面白いかも。

 

『そして医師も死す』Doctors Also Die 

あらすじ: イギリスの地方都市のシルブリッジで診療所を営むヘンダーソン医師が亡くなって2ヶ月経った。
警察は事故死だと思っていたが、共同経営者だった主人公のアラン医師は市長のハケットからヘンダーソン医師が事故ではなく殺された可能性について示唆される。
もし殺人となれば、容疑者は自分かヘンダーソンの若き後妻エリザベスになってしまう。しかしエリザベスも自分ではないと主張し、しかも彼女は誰かに狙われていると言う、、、、。

 

この作品でもフェアな推理材料が惜しげもなく作中に披露されています。
あ、でも犯人はわかんなかったですが(笑)
最後の最後、犯人がわかった後で物語を思い出してみると、「確かに文中でヒント盛りだくさんだったわ!」と気づくわけです。

頭が切れる美女・エリザベスは果たして味方なのか裏切り者なのか推理しながら読むのが快感な一作。

 

兄の殺人者 My Brother's Killer

あらすじ:

霧の夜、弁護士事務所の共同経営者である兄オリバーから急にオフィスに呼び戻された弟サイモン(主人公)は、そこで兄の射殺死体を発見する。 警察に疑われ独自に調査を始めたサイモンは、トラブルが多い兄の思わぬ秘密に直面する、、、、。

感想:

クリスティに「最後の最後まで楽しめた」と言わしめた処女作にしてデビュー作品。

これが処女作なんて驚きの出来栄え。

初期の作品から、巧妙なミスディレクションで読者を混乱させらてれるなんて、素晴らしい。

メインのトリックは時代を感じさせる古いものですが(現代では使い古された感があるトリック)、誰が犯人かは巧妙に隠されていて、やはり最後まで全然わからず。

犯人がわかった時、 文中で多少違和感を感じつつもスルーしていたある登場人物の行為が必然だったとわかった瞬間が快感です(笑)

 

『三本の緑の小壜』 Three Green Bottles 

あらすじ: イギリス北部の町で13歳の少女が全裸遺体で発見されます。
容疑者の医者も崖から転落死するも、また別の少女が、、、、。

どんどん話に引き込まれ、夢中で読んでしまうこと間違いなし!
やっぱり、登場人物はある程度多くないと犯人当てが楽しめないですしね。

この作者、一旦疑わしい人物の容疑を晴らしますが、実はその人こそ犯人だったというミスリードが抜群にうまいです!心地よく騙されました。

災厄の紳士 Dead Trouble

いつも田舎町やお屋敷で起こる殺人事件の設定を変えてみようとしたのか、珍しく「ジゴロ」や「フランスのパリ」が出てくる作品。

でも、結局メイン舞台はイギリスのお屋敷に戻るんですが(笑)

他の作品と比べてトリックが簡単だと思ったため 個人的おすすめランキングは低めですが、 肝心な犯人はミスリードによってうまく書くされていて最後の最後までわかりませんでした💦

あらすじ: 美人令嬢アルマはパリで偶然会ったイケメンと恋に落ちる。 実はイケメンはジゴロで、共犯者がいて、一攫千金の儲け話に乗りアルマに近づいた。が、その先には災厄が待ち構えていて、、、。

D・M・ディヴァイン作品出版年別

イギリスの田舎町

1961年 『兄の殺人者』 My Brother's Killer (1994年、現代教養文庫 / 2010年、創元推理文庫)

1962年 『そして医師も死す』 Doctors Also Die (2015年、創元推理文庫)

1964年 『ロイストン事件』 The Royston Affair (1995年、現代教養文庫)

1965年 『こわされた少年』 His Own Appointed Day (1996年、現代教養文庫)

1966年 『悪魔はすぐそこに』 Devil at Your Elbow (2007年、創元推理文庫)

1967年 『五番目のコード』 The Fifth Cord (1994年、現代教養文庫 / 2011年、創元推理文庫)

1968年 The Sleeping Tiger (未訳)創元推理文庫さん、どうか翻訳本出版してください!

1969年 Death Is My Bridegroom (未訳)創元推理文庫さん、どうか翻訳本出版してください!

1970年 『紙片は告発する』 Illegal Tender (2017年、創元推理文庫)

1971年 『災厄の紳士』 Dead Trouble (2009年、創元推理文庫)

1972年 『三本の緑の小壜』 Three Green Bottles (2011年、創元推理文庫)

1973年 『跡形なく沈む』 Sunk Without Trace (2013年、創元推理文庫)

1981年 『ウォリス家の殺人』 This Is Your Death (2008年、創元推理文庫)

 

 

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